nomi 号のレストア作業のほとんどはプロにお任せしましたが、これからレストアされる方の参考になればと、自分で行った作業をまとめてみました。
アルミパーツの鏡面仕上げの様子です。
まず、バリとりと大きな傷を取ります。色々な形のダイアモンドやすりのセットが便利です。やりすぎると、新たな傷を作ることになるので注意が必要です。写真右はルーカスのタイプ25Dのデスビです。これを題材にお話を進めます。私は、部品上の大切な文字の刻印は残すようにしますが、消しても困らない文字は削って消しています。
<管理人注>
ダイアモンドやすりは本来ガラスや陶器に対して用いるやすりで、アルミパーツに対するやすりは、アルミは柔らかいのでもっと目の荒いものが向いています。実際、ダイアモンドやすりをアルミパーツに対して使っていると、目詰まりして空回りして削りにくい感じになります。管理人もそれは、無意識に感じており、沢山削る必要がある場合には別の少し大型の普通のやすりを使っていました。しかし、つぎの段階に入ると、やすりの擦り傷が結構厄介です。怪我の功名か、ダイアモンドやすり程度のすり具合が傷も少なく作業しやすい印象でした。その分、作業効率は随分低下しているので、時間がかかります。根気が必要です。
次にドライペーパーの100番位から中仕上げに進みます。添え木を工夫すると効果的です。上の写真の左は400番の耐水ペーパーで右が100番のドライペーパーです。ホームセンターなどで簡単に手に入ります。一枚100円程度です。200番程度まで番手を上げます。このあたりの作業が最も時間を必要とします。
添え木は贈答用の品物を入れる木箱の木が柔らかめで使い易いようです。好みの形や厚みに加工して使います。円い頭の棒も結構活躍します。
大きな部品はリューターも併用します。色々な刃物や砥石を使いましたが、写真右端のヤスリ式が一番使いやすかったです。でも早く磨耗してすぐダメになり、大きいので使い勝手が悪いのが欠点です。写真中央の刃物が圧倒的に良く削れます。プロは上手に刃物を使い効率よく作業されるのですが、素人には砥石の方が安全で失敗がない印象です。リューターは作業が早いのですが、手の作業よりでこぼこになりやすいので注意が必要です。
先端ビットは、少し大きな DIY のお店にはたいてい置いてあります。少し特殊なものは広島では東急ハンズで購入しました。軸の太さに種類があるのに注意が必要です。
細かい部分はペンシル型が便利です。80、180、240、400番が手に入ります。広島では東急ハンズにありました。特に240番と400番は愛用しています。中仕上げでの傷消しには重宝します。
耐水ペーパーの400番当たりから細仕上げに入ります。消えない傷を見つけたら根気良く後戻りして傷を一つ一つ消して行きます。番手を上げると傷が良く見えるようになります。意図的に番手を上げてみるのも一法です。800番くらいからアルミの表面がむしろ黒ずんできます。とても神秘的です。ペーパーの番手は指数関数の感じなので、場合によっては、間を飛ばしてもいいようです。600、800、1000番と進みます。手触りもつるつるとして気持ちいいです。耐水ペーパーには1200、1500番などもありますが、アルミパーツでは不要です。
研磨剤は色々ありますが、ピカールが安くて綺麗に仕上がります。写真には私が愛用しているガーゼも写っています。ガーゼが綺麗に仕上げてくれます。信じて一生懸命磨いていると、ピカピカになります。
素人でも失敗の少ない方法を教えていただきました。チャップマンおじさんのショップにはスナップオンのサンドブラスターが備え付けられています。アルミの粒を圧縮空気でパーツにぶつけて錆びや古い塗装を落とします。表面がでこぼこしたパーツでも綺麗にさびおとしが出来る、とても優れた機械です。限界があってボックス内に入りきらない大きなパーツは無理です。また、粒子は色々選択できますが、チャップマンおじさんは最も錆び落とし効果の高いアルミ粒子にされています。
このような細い針金のようなパーツの錆びもサンドブラスターのガンをうまく使ってやると綺麗に出来ます。が、セラミックでできているガンがかなり痛みます。
このように曲がって裏側も錆び付いているパーツもサンドブラスターで綺麗になります。このスプリングはメッキしました。
かずさんから譲っていただいたエアークリーナーボックスの作業です。スポット溶接していただいたあと、サントブラスターで錆び落としし、さび止め→塗装と進めました。ほとんど新品に近い状態にまでなります。
塗装は、まず、チャップマンおじさんお薦めの、速乾性のさび止めを塗ります。あたりまえかもしれませんが。いきなり濃く塗らずに薄めに塗り重ねるのが綺麗に仕上げるコツです。また、場所をしっかり広く取って、塗装したい面に対してスプレーが正対するようにします。といっても、名人芸のチャップマンおじさんのようには出来ません^^;。