冷却系のレストア
ラジエター

ラジエター  シリコンチューブ

( A : ラジエター C : シリコンチューブ)

 イギリス生まれのエランは寒冷な気候に合わせてあるので、ノーマルのままでは暑い日本の夏はオーバーヒートの心配があります。nomi 号のラジエターはオーバーヒート対策として既に日産製の大型のもの(56 cm X 34 cm X 6 cm)が導入されていました。厳密には厚みをましてコア増ししたラジエターです。
 冷却系のチューニングでラジエターを変更する場合は、横幅が基準になるそうです。エランの場合 56 cm 以上のラジエターは搭載が困難と思われます。
 冷却系のパイプ類はシリコン製の黒にしました。

ラジエター-剥離  ラジエター 塗装

(ラジエターの準備 完成)

 ラジエターのファンをはずし、コアはフィンの折れを丹念に戻し、船の油汚れと塗装を剥離し、再塗装します。

ラジエター-タンク  ラジエター タンク

(オーバーフロータンク ステイ)

 ラジエターのオーバーフロータンクはオリジナルのツドール製です。ステイは前オーナーがステンレスで作製されました。

ラジエター-ステー  ラジエター ステー

(ラジエターステイ)

 ラジエターのステイは純正品ではないと思われます。鉄製なので、綺麗に錆落としし塗装しなおして使います。

ファン

ラジエター ファン  ラジエター ファン

(ラジエター ファン)

 HAYDEN 製の電動ファンは手動スイッチとし、羽を裏返しに組みなおすことにより、押し込み型から引き込み型に変更します。チャップマンおじさん曰く、「旧車乗りは、水温計や油圧計にはいつも注意してなきゃだめだよ。水温があがってきたら、ファンのスイッチをいれれば大丈夫。」。電動ファンは引き込み型の方が効率的ですが、エンジンとラジエターの間のスペースに問題があります。エンジンそのものに付いている純正のファンを取り除けは(nomi 号では初めから付いていませんでしたが。)引き込み型の電動ファンを取り付けることができるそうです。
 シュラウドを追加している個体を目にしますが、特別に追加する予定はありません。

ラジエター ファン

(ラジエターファンスイッチ)

 純正では設定のない機構なのでスイッチは後付けです。サーモスタットに連動して自動的にスイッチが入る機構もありますが、あえて手動です。ヒーターアウトレットの右下隅に設置して頂きました。乗り降りに邪魔にならずスイッチの操作ももやり易くベストと言えるでしょう。

ラジエターの設置

ラジエター ラジエター

 リビルトされたラジエターを正規の位置より前方に設置し、シリコン製のホースで繋ます。写真左のようにステーは作り直しています。写真右は引き込み型に改造されたファンをぎりぎりの位置に設置するため、ワッシャーなども加工していることを示します。

ラジエター ラジエター

 下側のステーを示します。これも新たに作りました。

ラジエター ラジエター

 写真左はぎりぎりまで前に設置する為、ボディーの一部---ボンネットが入る部分---を可能なだけ切り取っている様子を示します。写真右はこれだけの作業を行って得られた、クランクプーリーとファンとのクリアランスを示します。

ラジエター ラジエター

 通電テストを行い風が十分に引き込まれることを確認しました。このあと、ボンネットがラジエターに干渉して綺麗にしまらないので、あちこちを形成していただきました。

ラジエター ラジエター

 ボンネットが綺麗に収まっている様子を示します。また、シリコンホースもそのままではラジエターが前進した長さだけ足りなくなります。それを逆手に取って、将来、アルミラジエターにしたときのチャンバーを設置するであろう位置にアルミパイプを追加しました。

ラジエターボトル ラジエター ローアーチューブ

 口の中の設置が進み、最後にオーバーフローボトルを設置しました。ステーをステンレスで作り直してボディーをシャーシに固定しているボルトと共止めにしました。ラジエターの下側のチューブをエンジンと繋いで冷却系が完成です。クーラントを入れてエンジン始動の準備完了です。

 燃料系のレストア に続きます。

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