nomi 号の内装では、ペダルボックスやメーターパネル等は既に右ハンドル化されていました。紙製(なんと紙製!)のグローブボックスはバラバラ状態で、助手席のヘッドレストはありません。新品のグローブボックスは、岡山の DAD レーシングの K さんから格安で譲っていただきました。ところが、後日なぜか紛失してしまい、蓮車親爺さんの骨折りでポール マーティーからとりよせました。
ステアリングはナルディの黒です。管理人 nomi の好みでもありこのまま使用します。状態の良いオリジナル ステアリングは、家宝として保存します。ホーンボタンは黒です。シリーズ 3 以降はステアリングおよびシートベルトマークは全車黒、ノーズバッジはノーマルとなったそうです。1968年4月7日に亡くなった天才ドライバー ジム=クラーク の喪に服するため、一年間はノーズバッジにも黒が用いられました。
メーター類はスミス製で、前オーナー N 氏が点検し、特にタコメーターは新品に交換されています。
シートベルトは、最初はどろどろで使い物にならないと思っていましたが、ダメモトでごしごし洗うと意外に味わいのあるヤレ具合で、バックルなどは多少の錆びを我慢すればOKでした。ただし、( B )の↑はシートベルトを使用しないときに引っ掛けておく金具ですが、一つ欠品だったのでアルミ板で自作しました。バックルの社章は黒です。
シートベルトの固定は3点式です。写真左はリアーストラットの頂点外側にある固定位置で赤いスパイダーシャーシが見えています。写真右は室内床の後ろ側でセンタートンネルと側壁にある固定位置です。補強されています。
シートベルトの固定用のネジ類です。
内装の内張りが張られると、シートベルトを固定用のネジでシャーシに固定しました。シートベルトそのものは左右の違いが無く、運転席と助手席で取り付けが逆になるので、左右で裏返しになることになります。
シリーズ 4 のアメリカ輸出仕様にはヘッドレストがついています。フェデラルタイプと呼ばれます。写真( D )の黄色エランのシートのようなイギリス仕様ではヘッドレストはありません。管理人 nomi はイギリス仕様の方が好みです。写真( E )の右は前オーナーがシート屋さんでヘッドレストを取りはずしイギリス仕様風にしている状態で、写真左が純正のフェデラルタイプです。従って、現状の nomi 号のシートは左右で違っています。シートそのものの状態は悪くないので当面はこのまま使いますが、近いうちにヘッドレストのない仕様に統一したいと思っています。
nomi号のシートレールはボルトが溶接してありました。オリジナルは普通のボルトだそうで。エランのシートは( F )のような簡単な機構で約12cm 前後にスライドします。
いろいろ考えた末、今回は残るヘッドレストの部分を切り取って左右とも同じ状態までにしました。構造上はイギリス仕様と同じだそうです。カバーのデザインが少し違いますが秘策がありますので(^○^)。
ロータス ツインカム エンジンとウエーバーの音がオーディオの代わりです。もちろん、エアコンもありません。「エンジンの馬力に余裕があるので、年をとって暑さがこたえるようになったら、日本製の軽自動車用のエアコンをつけることも出来るよ。」とチャップマンおじさん。
エランのシートは前側のパイプをこのクランプで押さえて、後ろ側は写真の黄色矢印部分をレールに挟んで固定されています。
写真左は天井材を支える骨です。3本あり、微妙に長さや曲がり具合が違っています。
ギャロップ エンジニアリングさんが教えて下さったのですが、シリース4の天井材は既に絶版で手にはいりません。そこで、ウエストライン以下を黒に天井をグレーに決定し、内装材と同じ内装屋さんで調達することにしました。天井材が厚いと張り方が難しいそうです。天井材は天井の梁に合わせて袋状に加工する必要があります。これらの加工は内装屋さんに依頼しました。
平成17年6月21日に、内装屋さんがショップに来られて作業されました。
素晴らしい出来栄えです。リアークオーターパネルも同じ素材で作ることになりました。
写真左は最も下層に張るフェルト状の内装材です。
その上層には、足元から側面にかけては黒のループ状に起毛した内装材(カーペット)を貼ることにしました。純正の内装材は手に入らないので、チャップマンおじさんがいつも取引されている内装屋さんで調達することにしました。
右はシルの部分から前後にサイド部分のパネルを自作する為の型紙です。
型紙を頼りに、MDF パネルを切り出し、直接ボディーにあてて修正しながら、欠損していたサイドパネルを作りました。
ボディーの縁からは1〜 2 cm 離し、内装材がウエザースリップで挟まれて止まるように配慮しました。後に、ウエザーストリップを付ける段になって、さらに 0.5 cm 程度小さくする必要がありました。マニュアルでは前半部分は継いで作ってあるようでしたが、今回は一枚の板で一体形成しました。
騒音や熱などを遮断する為のフェルトを貼ります。
完全にマニュアルどおりです。「ファイバー一層で外界と遮断されている部分には全てフェルトが入るような設計じゃのう。」とチャップマンおじさん。
左はカーペット材の拡大写真です。ループしています。カーペットはオリジナルの入手は不可能なので、内装屋さんから可及的にオリジナルに似たものを購入しました。
平成18年3月21日の祭日を返上して、チャップマンおじさんとBBさんとでカーペットを張ってくださいました。うっとりするくらい綺麗です。
センターコンソールの部分も仕上がっています。nomi 号はスパイダーシャーシなので室内からの操作孔は不必要です。グロメットで塞いで湿気の進入を防ぐようですが、完璧を期してアルミ板で完全に塞ぎました。
シートクランプやシートレールの部分はボルトの貫通穴を開ける必要があります。シートクランプは回転させることで前後に10 cm程度シートの固定位置を下げることができます。英国人の体格でも十分に調節する幅があります。
シートは内側ではボディーを貫通してシャーシに、外側ではボディーに貫通ボルトで取り付けられます。従って、この隙間から室内に水が入る可能性があります。写真左はその予防の為、シーリング材を塗った上でボルトを締めている様子を示します。
(その2)に続きます。