今回のレストアとは直接関係有りませんが、ヤフオクでスペアー用のフロントブレーキキャリパーのセットを手に入れたので、後学のためレストアしてみました。
簡単に錆を落として、まず、ピストンを抜きました。といっても素人にはまず無理です。ブレーキラインから加圧すると抜けることは論理的には理解できますが、圧縮空気がないと難しいのと、普通にやると両方のピストンが出てくるので一度には抜けません。
さすがは師匠、エアー抜きのラインから加圧すると末梢側のピストンだけに圧力がかかるので、この問題は解決できます。
写真は、バラバラになったレストア前の部品です。右から機密性を確保する為のゴムパッキン、ピストン本体、ダストカバーとしてのゴムとそれを保持するためのリング状のバネ、そして本体です。右の写真の下にはパッドを保持するホルダーも写っています。
告白すると、ピストンはピカピカ面が圧がかかる方で汚い方が見えています。しかも、エンジンのピストンとは逆のイメージで組み込まれています。この部品を落札した時、私は「ピストンが付いていない!」と勘違いしました(^O^)。後から考えると、ケントエンジンのピストンには燃焼室があって窪んでいるので、これと同じイメージです。
パッドを支持する部品のいわばカバーのような部分です、矢印がついているのに注目して下さい。ブレーキディスクの回転方向に合わせる必要があります。小さな穴はパッドを吊り下げる棒が通ります。半円形の切欠きはピストンが押す円の直径より5 mm 程小さく、ピストンはこのプレート越しにパッドを押すようになります。
お騒がせのピストンは、本来、綺麗なメッキ製のようですが、長年の使用で一部は剥がれています。パッド側の面はとても汚れていますが、ブレーキオイル側は鏡のように綺麗で対照的です。
エンジンで言えば、ピストンリングのようなものだと思います。単純なゴム製の輪ですが、熱やオイルに強い特殊な材質でできています。
右の写真の矢印の部分に嵌って仕事をします。
ピストンとそのハウジングとの間の隙間からごみが入り込まないようにするためのカバーです。パッキンと同様のゴムと固定用の簡単なリング状のバネでできています。
右の写真のハウジングのもっとも外側の畝(←)にかぶせて使います。
ブレーキラインの鉄製のパイプは事情によりカットされていますが、ブレーキを踏んだ力はブレーキオイルに伝えられてここを通ってハウジング内に伝えられピストンを押すことになります。
右の写真は空気抜きラインのネジ(左の写真の→)をはずした状態を示します。
反対側のハウジング内では黄色→から圧が伝えられます。
右の写真はブレーキディスクの通路を側面から見て示したところです。
手作業で頑張って錆落としをやってみましたが、今回はとても無理でした。チャップマンおじさんに相談したところ、ピストンなどを仮組みし直して、サンドブラスターするように指導していただき、実際にも使わせて頂きました。
ブレーキキャリパー専用の塗料をスーパーオートバックスで購入しました。シルバーにしたかったのですが、あいにく欠品で、ジェニュイン ブルーにしました。
この塗料のセットはキャリパー4個分あり、今回は盛大に余ります。もったいないので、ステーやピンなども塗りました。が、塗膜が厚いのでかえってよくない可能性もあります。
冷却系のレストア に続きます。