Carburetor の調整 (その2)

Lotus 指定のセッティング

 ノーマルのエンジンチューニングである事を前提にすると、エランの故郷では下の表の様なセッティンが推奨されています。まずは、これが基準と考えてよいと思います。

<エンジン>
stdstdSESESprint
キャブ
DCOE 18DCOE 31DCOE 18DCOE 31DCOE 31
Main Jet115115115115120
Air Corrector Jet200200150150155
Slow Running Jet45F.950F.850F.850F.850F.8
Pump Jet4040404035
Pump Stroke (mm)1010101010
Starter Air Jet100100100100100
Starter Petrol JetF.5/100F.5/100F.5/100F.5/100F.5/100
Emulsion TubeF.11F.11F.11F.11F.11
Needle Tube1.751.751.751.751.75
Air Trumpet Length (in)1.751.501.751.501.50
Outer Ventuli (mm)3030323233

キャブ調整作業

 チャップマンおじさんはキャブ調整の名人です。某自動車雑誌にキャブ調整の記事を連載されている某氏をも指導されています。チャップマンおじさん曰く、「エンジンのチューンがそれぞれ違うので、同じ車種でもジェットの番手ばかり気にしてもダメ。まず、バランスやフロータレベルを含め、キャブが正常に動いているか。最初にきちっと調整すれば、まずジェットをいじることは無いよ。エランは上重視で良い。下は車重が軽いので何とかなるよ。」。管理人 nomi がプラグやジェットを触ることはなさそうです。

キャブ調整作業  キャブ調整作業

(ジェットのセットをはじめキャブ調整のための道具 アイドルアジャストスクリューの調整)

  1. エンジンやキャブ本体の不良をチェックする。特に燃料ポンプや点火系、キャブの設置に注意が必要。
  2. どのようなエンジン特性にしたいか決める。サーキット?ストリート?
  3. 基本的なセッティングからはじめる。記録を残す。
  4. エンジンがしっかり暖機した状態でセッティングする。プラグがかぶっていないこと。
  5. スロー アジャスト スクリューでアイドリングを 1000 〜 1200 rpm に調整する。
  6. シンクロテスターで各キャブレターの同調をとる。
  7. 同調が取れたら、一気筒づつスロー アジャスト スクリュー を戻し一旦締める。再び開けながらスムーズにアイドルする最低の開度としそれを記録する。この戻し量はキャブのタイプ毎におおよそ決まっている。この操作を各気筒で行う。
  8. アイドル系の調整が終了したらもう一度同調を確認する。
  9. 安全なテストコースを設定する。
  10. まず、Outer Ventuli を評価する。2000 rpm 位から全開にして、息継ぎやエンジンストールする様であれば小さくし、レスポンスが良ければ、ワンサイズ上の Outer Ventuli を試みる。アクセル全開でほんの少しレスポンスが遅れる程度が適切。
  11. このエンジン全開時に、排気が黒煙であれば、ポンプジェットを小さくし、黒煙が出ない範囲で最も大きいサイズのポンプジェットを選択する。
  12. 最短距離でレブリミットに達するメインジェットを選択する。
  13. レブリミットに達したら素早くエンジンを停止してプラクの焼け具合を点検する。プラグの焼け具合で燃焼が良好なエアージェットを選択する。この作業で焼け具合が改善されない場合はメインジェットを変化させる。
  14. セッティングを記録しながら作業すると、次の方向が見えやすい。

キャブ調整作業  キャブ調整作業

(ジェットの交換が済んだチューブを再び挿入しています。同調を取っています。)

<エンジン>
SE
<nomi 号><nomi 号(45)>
キャブ
DCOE 18
DCOE 18DCOE 9
Main Jet115
125140
Air Corrector Jet150
200190
Slow Running Jet50F.8
50F.845F.8
Pump Jet40
4545
Pump Stroke (mm)10
1010
Starter Air Jet100
100
Starter Petrol JetF.5/100
F.8/60
Emulsion TubeF.11
F.11F.11
Needle Tube1.75
1.752.00
Air Trumpet Length (in)1.75
1.752.0
Outer Ventuli (mm)32
3436

 基本はアウターベンチュリーのサイズから始まるようです。ノーマルよりメインジェットは大きいものが用いらています。エアージェットも大きいサイズになります。3000回転以上のメイン系では沢山の混合気を一期に送り込む感じだと思います。
 Slow Running Jet(アイドリングジェット)はなかなか面白いです。アウターベンチュリーの小さい時の方が大きいサイズが入っています。アウターベンチュリーが大きいと3000回転以下では、流入気の速度が遅くなるなるので大きなジェットでは濃くなりすぎるのでしょうか?
 ポンプジェットは大きい者ほどポンピングの時間が短いと考えて下さい。ポンプされるガソリンの量は同じです。切れの良い加速を期待するときに大きなものを入れると良いのだと思いますが、大き過ぎると濃くなりすぎてかぶりやすい?このあたりはエンジンのチューニング状態との兼ね合いでしょう。

同調  同調

(同調器 Synchro-Test)

 写真はチャップマンおじさんがお使いのドイツ モトメーター社製のシンクロテスターです。どうしても欲しくてヤフオクでゲットしました。そしたら出品者がとても良い方で、イギリスの国旗のシールをおまけに頂きました。かつてエランを所有されていたそうです。

スローランニングジェット  プランジャー

(スローランニングジェット プランジャー)

 スターター系のジェットで走行性能にあまり関係ないのがスローランニングジェットです。また、写真右はポンプ機能の中心のプランジャーです。

アイドルジェット  プラグ

(nomi 号での調整)

 納車直前のnomi 号でのキャブ調整の様子です。アイドルジェットの変更を行い、プラグの焼け具合をチェックしています。

 いよいよ納車です。

 Appendix に続きます。

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