ラックアンドピニオン式、ノーマル比(ロック・トウ・ロック 2.5 )のリビルト品のステアリングラックです。オリジナルと思われる左ハンドル用と比較すると微妙に異なります。勿論、パワーアシストはありません。ステアリングコラムの接続部は鏡面仕上げです。ステアリングコラムとのジョイントはゴムが劣化して柔軟性がなくなっていたので、ヨーロッパ用のユニバーサルジョイントに交換しました。
改良前では、ラックが長すぎてステアリンアームがサスペンションの上下の動きときちんと同調できないことが分かります。チャップマンおじさんのセブンでのご経験では、ステアリングの特性に多大な影響がある部分で、エランはややオーバーステアリングの傾向があるのはこのためであると考えられている由。ちなみに、現代の車では一様に、改良後の様に関節部分がほぼ線上にセッティングされています。
具体的な加工は、新ケーターハムセブン用のステアリングラックを使って行われました。
写真は、チャップマンおじさんが保存されていた、色々な車のステアリングラックを並べて比較したものです。左(上)から、オースチンヒーリースプライトMK1、旧ケーターハムセブン、新ケーターハムセブン、エランの順です。
このような、豊富な在庫と、培われた知識、技術で最高の作業が行われました。「日本広しと言えど、チャップマンおじさん以外に、このような改良ができるメカはいないだろう。」と管理人 nomi は思いました。
改良後の素晴らしいジオメトリーをご覧下さい。「多分、ワークスの26 R もこのような改良をしているはず。一度見てみたいもんじゃのー。」とチャップマンおじさん。管理人 nomi はただただ感謝感激です。
改良はシャーシ側にもおよびます。ラックのシャフトとの合流部がシャーシに干渉するためシャーシを少し切り込む必要があります。アルミ部分は得意の鏡面仕上げで、クランプもケーターハムセブン用のアルミ製のリジッドなタイプに変更です。
写真はラックの高さを調整するシムです。触って見ると厚みが色々です。チャップマンおじさんはなるべく使わないようにされます。
ステアリングラックの改良の一連の作業が完成しました。
シャフトは鉄のむく材で結構重い物ですが、それをカバーしている鞘はとても軽いアルミ製です。ついつい鏡面にしました(^○^)。組み付けはボディーがシャーシに載ってからです。
シャーシのレストア に続きます。