チャップマンおじさんの長い歴史で蓄えられた沢山のシムです。この中から適切な厚みのものを選びます。シムはタペットの下にあります。右の写真の黒い吸盤でタペットをはずして取り出します。
適切なシムを選んでカムを規定のトルクで組み込み、バルブ クリアランス をゲージで測定します。その値をもとに、バルブ クリアランスが規定値(0.25 mm)になるようにシムの厚みをマイクロメーターで測定して選び出します。
選ばれたシムを微調整のため、砥石で砥ぎ 1000分の1 mm の精度で厚みをあわせます。数回の繰り返し作業の結果、最適なシムが選ばれ組み立てられます。シムが置かれた紙に、微調整のための計算の後が見られます。
シム調整をインテイク側、エギゾースト側ともに終了し、カムが組み込まれます。ヘッドカバーが着けられヘッドの完成です。背景にはデフまで装着されたシャーシが写っています。
オイルポンプはノーマルをオーバーホールして再装着しました。
ウオーターポンプは定石どおりリペアーキットで新品にしました。
ウオーターポンプのベアリングと軸をフロントカバーに圧入します。
バックプレートをブロックに組み込みます。紙製のパッキンなので赤い色の液体パッキンを追加しています。
タイミンブチェーンをかけてフロントカバーを組み込みます。これでフロント部は完成です。
リアーオイルシールの組み込みです。旧いブロック(フライホイールを止めるボルトが4本)ではこの部分のパッキンが半月状のものを二つあわせた構造であるため、オイル漏れを止めることが基本的には不可能だそうです。新しいブロック(フライホイールを止めるボルトが6本)では、完全な円を形成しているので、丁寧に組めばオイル漏れは無いそうです。
バランス取りしたフライホイールを組み込んで完成です。
チューニングカムを使っているので、マニュアル通りのタイミング合わせでは十分な性能がでません。作用角 296 度のカムなので、インテイク側を 102 度、エギゾースト側を 104 度としました。
組み立て完了です。これから駆動系と連結し、シャーシに乗せます。補器類の組み込みはその後になります。
オイル周りのレストアに続きます。